2020年、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

神戸風月堂

昨日からがレッスン初めでした。
これが本当に信州の冬かな、というくらいの陽気つづきで、窓を開けて換気をしながらスタジオをお掃除しているときも、まるで春風を浴びているような心地良さです。
雪が舞っていたかと思えばすぐに雨に変わり、雨が降っているなぁと思えば雪に変わったりと、そこへきて、日中は暖かい太陽を肌に感じるので、なんだかフワフワとした、冬と春の間をいったりきたりしているような感覚を楽しむ今日この頃です。

こういった曖昧な感覚にいるときは、ちょっといい音楽が聴きたくなりますし、ちょっといい歌が作れるような気持ちにもなります。
また、乾燥しているよりもしっとりとした天気のほうが喉にもいいですし、雨が降っているときのヴォイストレーニングは、私は大好きです。
そういえば、雨からインスピレーションを受けることも多いような気がします。
これまで作曲させていただいてきた歌の中にも、雨がよく登場することを思い出しました。

今年もそんないい雨が、いっぱい降るといいなぁと思います。
創作に没頭できる時間は限られていますが、素敵なメロディ、素敵な歌詞が、雨のように降ってくるのを、すかさず記録して、とっておきたいと思います。

そんな雨と同じように、素通りできない時間を与えてくれるのが、この3月に三歳を迎える娘です。
言葉を必死に自分のものとしようとする季節を生きている彼女は、実に詩的な会話をしてくれます。
この間は、近くの日帰り温泉にと、とあるホテルに出かけたのですが、その浴場には船の形をした露天風呂がありまして、私は彼女に「お船のお風呂があるよ」と伝えていたのですが、いざそのお風呂に入ってみると、満月に近い、まあるい月が煌々と空からお湯を照らし、それはとても美しい夜の始まりだったのです。そこで彼女はそのお風呂を「お月さまのお風呂」と名付けました。「このお月さまのお風呂、綺麗だね。わたしね、このお風呂が気に入っちゃった」「朝はもう終わって、夜が来たんだね」と言うのです。うっとりとしながらお湯に身を任せて、彼女はさらにこう言いました。「わたしね、羽根を落としてしまったの。羽根、どこにいっちゃったのかなあ?探してるんだけど、どこにもないの」私は「どこにいっちゃったんだろうね」と同調してから、その内容に少し不安にもなって「ねえ、◯◯ちゃん、その羽根があったらどうするの?」と聞いてみたのです。少しむずかしい質問だったかなと反省していると、「その羽根でね、もうちょっとのところまで飛んでいくのよ」
と答えてくれました。「もうちょっとのところまで?」「そう、もうちょっとのところまで」。こんな風に、娘は月から何かを受けとったみたいです。

そういえば、月をモチーフにした名曲も多いですね。桑田佳祐さんの『月』も、とても美しい歌です。

長くなりましたが、いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
2020年、今年も皆さまにとりまして、素敵な一年になりますように。

美しいもの、美しいこと、美しい時間を、いっぱい過ごしましょう。